

| 去年、『KAGEROU』を読んで思った。これは読書感想文に向いている! というわけで、夏休みまで一ヶ月を切ろうかという時期になってきたのでそろそろそんな話題もいいんでないかと思ったので言ってみる。今年の読書感想文に迷ったら、齋藤智裕さんの『KAGEROU』はいかがでしょう!!! 小学校の低学年は流石に無理と思いますが、小学校の高学年から高校までの幅広い年代の読書感想文用の図書としてこれは耐えられると思います。まず、テーマがシンプルでわかりやすい。次に、登場人物が絞られていて、物語の展開がごちゃごちゃしない。そして、文章が平易。 この読みやすさ、理解のしやすさに加えて、「おもしろかった」「よかった」「かわいそうだった」以外の感想が持ちやすいのも良いところ。というか、それが一番のオススメポイント。読書感想文を書こうと思って本を読んだ場合、いくらおもしろそうな本を読んで、実際におもしろかったとしても、肝心の感想が「おもしろかった」以外に浮かばないと難儀してしまいます。その点、この作品は、登場人物に自分を重ねて色々と考えるという作業がしやすい。例えば、一番初めの主人公の選択に対して、どう思うか、その理由を考えてみる。あるいは、もし自分が主人公と同じ立場になり、同じ選択をしてしまったら、その後何を考え、どう行動するだろうか……。主人公以外の登場人物の立場に立って考えてみるというのもよいかと思います。 |
| 全5巻で完結している高嶋ひろみさんの『未満れんあい』。恋愛経験のない、30男と中学生の年の差恋愛ラブコメと見せかけて、その実ほぼ30男の独り相撲なラブコメ漫画。いや、これはなかなかよかった。個人的に超オススメ。 今まで恋愛は自分とは縁遠い物だと思っていた30男が、今更中学生女子に一目惚れなんてどうするよ、的な自嘲っぷりと、中学生相手に恋愛とかナイナイとわかっていながら、中学生のような知恵を絞ってアプローチを試みる甘じょっぱい感じがよいです。しかも彼は30歳になろうかという成人で良識があるので、彼女に大して頼れる大人としての振るまいを逸脱できぬのです。おかげで彼女は、彼にとって自分が恋愛対象になろうとは考えてもいないのです。うん、普通はそうだろ。彼女は彼のことを非常に信頼しますが、そこに恋愛感情があるかというと……まぁねぇ……。というのがとても読者にはよくわかるように描かれているのですが、主人公の黒瀬の方はと言うと、舞い上がって右往左往するわけです。そこら辺がとてもいい。そして中学生女子ともえちゃんの素直な感じがさらによいのです。 で、そんなメイン二人のラブコメに似て非なる関係の面白さもさることながら、黒瀬が大人になった自分を自覚しつつ、かつて子供だった自分を意識し、今子供であるともえの世界を見ている視点がなんとも巧いのです。例えば黒瀬は初め、ともえと会う約束をしながら、臆病風を吹かせてなかなかその場に行けず、彼女を長い時間待たせてしまいます。彼女を待たせたのは黒瀬の子供の頃から持ち続けている臆病な部分ですが、彼女を待たせてしまったことに対しては黒瀬は大人の立場を利用して言い訳してしまい、あとで反省します。子供の頃に恐ろしかったこと、できなかったことに対して、大人になってからもう一度相対してみると、良いようにも悪いようにも成長した自分に気付く。大人が子供を適当にあしらってばかりいちゃいけないことも、思い出す。黒瀬いいよ、黒瀬。思い存分ぐるぐるするがいいさ。 ヒロインのともえちゃんのとぼけた行動も、恋愛に縁遠い中1女子ならまぁアリかな、という範囲。漫画ならでのデフォルメがきいているので、こんな女子中学生が実際にいるかというと、それはないだろ、と思ってしまったのですが、彼女の価値観や常識としていることの範囲は、女子中学生にありそうな範囲。彼女はそれを下敷きに行動するので、ボケに無理がない。 恋愛漫画というより、日常青春漫画として、漫画らしさとリアルがうまく同居している名作と思います。 |

| フリーカメラマンの大西暢夫さんによる、写真絵本。 ちょっとこれはなかなかすごいですよ。『ぶたにく』はまんま豚肉。日本人よく食べますよね、豚肉。 この絵本では、生まれた子豚が肉になるまでを追っているのです。生まれたての子豚は可愛い! 豚ってペットにもなるそうですが、この写真を見たら納得できてしまう。NHKの朝イチでも子豚くんがでてましたな。 兄弟の多い子豚くんたち、お母さん豚からお乳をもらう様子も愛らしい! ぴぎー! 子豚可愛いよ、子豚! もりもり食べて、すくすく大きくなっていって、十ヶ月後。……屠殺されて豚肉に。 この養豚場での豚の餌には、近くの小学校などからの残飯もあるそうなのですが、こうやって大きくなって肉にされて料理された牛や豚の肉もその残飯の中に入っているかと思うと、なんとも言いがたい気分になります。 さぁ、いつも食べている肉が、どこからやって来るのか知るがよい!! |
| 宮田紘次さんの夫婦物ラブコメ漫画。奥さまは魔女ならぬ、奥様は宇宙人。『ヨメがコレなもんで。』のコレはこれなのですねー。 周りの人々には奥様が宇宙人なのはバレないようにがんばっているのですが、お互いの両親には婿や嫁が同種じゃないことは了承済み。外出するときには、地球人スーツを着なくてはならないヨメが、洗濯機で地球人スーツをぐるぐる洗濯していたりして、コレ、家の中にまとめて干すのはなかなか凄い風景よねーと見えないところまで想像させる日常宇宙人話です。地球人に紛れて生活している地球外生命体がシリアスにならずほのぼのしているのがいいなぁ。 |
Author:タキザワ
本が好きです。
年に百冊がなかなか難しい。